シンデレラは何ルート?《王子or魔法使い》
ようやく冷静になった僕は立ち止まると、急だったためか少女がぶつかってしまった。
すぐさま謝ろうと彼女に顔を向けると、ふたたび僕の思考は冷静でいられなくなった。
間近で顔を見ると、やはり端正な顔立ちをしている。
けれど、まだ幼さが抜けきれていない、あどけない表情。
そして、じっと僕を見つめる大きな瞳。
僕はその一瞬で彼女の魅力に魅了され、
恋に落ちたんだ______
時が止まった。
いや、実際は何の狂いもなく時間は過ぎていたのだろうけれど、2人の間で流れていた時間は停止していたように思えた。
この時だけは2人の世界が創られていた、
そんな気がするんだ______
都合の良い、ただの自惚れかもしれないが。