シンデレラは何ルート?《王子or魔法使い》










「…あの。」



僕がようやく声をかけると、彼女もはっ、と我に返ったようだった。







「僕はリリアーヌ家第一王子。リリアーヌ・クリフと申します。いきなりのご無礼お許しください。」




今の状況に戸惑っている彼女に、とりあえず謝罪を述べた。






すると



「お顔をお上げください。
王子様のことは勿論存じ上げています。
私もこの国の市民ですから。
今日は王子様のお誕生日パーティーとお聞きし是非お祝いしたいと思い舞踏会へ参加させていただきました。」



と、彼女はしっかりと言い放った。





正直驚いた。


だからつい、咄嗟に年齢を聞いてしまったのだ。





「失礼ですが、あなたのお歳は…?」






彼女は不思議そうに


「17です。」


と答えた。





この国で17歳は立派な成人と認められるし、何より自分と1つしか変わらない。


容姿だけで判断すると、15歳くらいだ。



僕は本当に驚いた。



しかし思っていることが顔に出ていたのか、彼女は途端に不機嫌になってしまった。



すぐさま僕は



「馬鹿にしているわけではありませんよ。ただ思っていたよりも僕と年齢が近いことに少し驚いただけです。」


と、弁解した。





「本当ですか?」




「も、もちろんですよ。」





上目遣いで訊ねてくる彼女は、とても愛くるしくて。





………理性が吹っ飛ぶかと思った。








「王子、お暑いでしょうか?お顔が少し赤いようにも見えます。」





「い、いや、大丈夫です。
お気遣いありがとう。」





天然なのか、計算なのか……………。









キョトン











可愛らしく首を傾げる姿を見れば、どちらでも良くなってしまう。





まぁきっと鈍感なだけだと思うが。








……とにかく可愛い。




コロコロと変わる表情も仕草も、全て。












…もう無理だ_________











< 24 / 37 >

この作品をシェア

pagetop