シンデレラは何ルート?《王子or魔法使い》
「今は僕が一方的な好意を抱いているだけです。彼女はまだ何も知らない。なので、まだ返事は待っては頂けないでしょうか?
今すぐに妃を必要としているわけでもありません。急ぐ必要はないかと。」
「王子…。」
王子の私への想いに胸が高鳴った。
顔が熱くなるのが自分でもわかる。
「そうなのか?シンデレラ。」
「えっ!?は、はい。
大変なご無礼だとは思いますが、正直私も戸惑いを隠せません。
お時間を下さると助かります。」
「そうか。」
「父上…。」
「わかった。
2人がそう言うのならば仕方あるまい。」
「「!!!」」
「ありがとうございます。
父上、感謝致します。」
「ふっ、確かに急ぐ必要は無いしな。
それに…。」
「それに?」
「『今は』と言ったな。
彼女を惚れさせる、よほどの自信があるのだろう。」
王様はにやっと意地悪そうに笑った。
すると王子は真っ赤になり、慌てて弁解した。
「そ、それは違います!!
決めるのはシンデレラです。妃になるかはまだわかりません!!!」
意味がわかった私も真っ赤になった。
(そういうことか…)
「ハハハハハ。良いではないか。面白い。
シンデレラを妃に出来るかは、お前次第だな。」
「父上…。」
恥ずかしさと呆れが混じったような表情で王子は呟くと、私のほうに振り返った。
「シンデレラ。
僕の意思で勝手に話を進めてすまない。
だが、僕の君への気持ちは本物だ。
だからチャンスが欲しい。」
「…はい。」
私は空気を読んだのではなく、自分の意思で、王子の気持ちに答えた。
「…ありがとう。
ではこれから暫くはこの城に…僕の側に居てくれ。父上、良いですよね?」
「そうだな、そうしよう。」
「わかりました。」
戸惑いはあったものの、今更驚くものでもなかった。この状況を考えたら。
「では、これからよろしく頼む。
シンデレラ。」
「…はい!クリフ王子!!」
こうして、シンデレラの人生を変えた1日に幕が閉じた____________