糸を切られたマリオネット
雨に濡れるという行為は嫌いじゃない
なぜか自分を痛め付けるような
自虐的な行為をしているように
感じるからだ
わざと雨の中を歩けば
何かを洗い流してくれるような気がするのは
私だけだろうか
なんて馬鹿なことを考えていたら
フワッと柔らかいものに包まれた
「すみません。調子に乗りました」と
彼はタオルで私の髪をクシャっと拭いてくれた
「いえ」
ずっと髪を、顔を拭いてくれる
自分でやれば済むけれど
とても気持ちがいいから
されるがままでいた