糸を切られたマリオネット

ああ、また気だるい時間になった



彼が私の頬をいつものように

右手の人差し指と中指でなぞる


「ミキさんの、行為の後の呆けた顔が
たまらなく好きです」



そうなんだ…


「渋谷さんのせいですよ」

「そうですね」



「あなたは、僕のものですからね」



“もの”とは


人形としてのことなのか

人間としてのことなのか




……どちらでもいい


だって玩具には変わりない

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