未定

「話しかけられたんでしょ?顔見たんでしょ?名前わかるでしょ!?」

確かに顔は見た。
しかし、あんな爽やかに笑う少年ははたして同じクラスにいただろうか。

いや、いるのであろう。
しかし、顔を見ても名前が出てこず、本人に聞くことも忘れていた私はなんて浮かれ野郎なのだろう。

「まさか覚えてないの?」

恐る恐る聞いてくる佳菜子。

はい。おっしゃる通りです。

「名前聞かなかったの?」

忘れておりました。

「どんだけ浮かれてたのよ」

ため息混じりに呟く佳菜子。
なにも言い返せない私。


「でもさ!もしかしたらメール来てるかもよ!そしたら名前聞くんだよ?」


そうだ!メール!
と、思って携帯を開くと

"新着メール"

の文字が!


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