未定
教室の隅っこにて。
私達4人は教室内を舐めるように見渡している。
「いた?」
真子が私に聞く。
「んー…」
ぱっとしない。
全員そこにいるはずなのに、昨日の爽やか少年がどの人かわからない。
「ねぇ、まさか覚えてないなんてことはないよね?」
「覚えてるよ!細身で切れ長の目で、笑うと眉が下がる爽やか笑顔の少年!」
きっぱりと言う。
しかし、どの顔を見てもぱっとしない。
「やっぱり名前ききなよー」
と、里美。
皆に協力してもらって悪いが、探すのが面倒になってきた私。
「んー。もういいや!顔見て思い出せなかったってことは、別に特別な感情はないってことだよ」
簡単に諦めた私。
「本当にいいの?」
と、真子。
「うん!」