17歳─恋のはじまり─
キーンコーンカーンコーン…


「やばっ、先生来る!」


チャイムの音に
立夏がお菓子を片付け始めて

そそくさと自分の席に
戻って行った。


その時、

ガララ…


勢いよく開かれた扉に
教室内がシ…ンと

静かになる。


千紗の瞳も扉の方を
映し出した。


「………」


入ってきたのは、
佐々木くんで。


教室に入るなり周りを見ずに
ドカッと席に着いて

椅子にもたれ掛かると
腕を組んで下を向いた。

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