17歳─恋のはじまり─

2.「俺に、構うな」

翌朝。


「行ってきまーす!」


バタン…


玄関を閉めて
エレベーターの方へ向かうと、


「おー、千紗おはよ」

「瑛司、おはよ」


瑛司がいつものように
あたしを待っていて。

あたしは当たり前のように
瑛司の元に駆け寄った。



「ふぁ~…ねみーなぁ」

「またゲームでしょ」

「正解」



瑛司とは同じマンションの
同じ階で。

あたし達は昔から
こうやって一緒に登校するのが

日課だった。



「ぐぁー、しかも暑っ」

「ちょ、紫外線ヤバい!瑛司、影作って」

「わ、馬鹿!押すな」
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