17歳─恋のはじまり─
「膝?」

「ん」

「…大丈夫なの?」

「まぁ、そのうち痛みもなくなるよ」



右膝を庇うように
歩く瑛司を見て、

そんなに痛みがあるんだと
あたしはこの時知った。


関節が痛いなんて
あたしには経験がなかったし、

どういうものかなんて
分からないから、

瑛司の言葉を信じるしかなくて。


「…心配してくれてんの?」

「!?」



1人考え込んでると

目の前にいきなり
瑛司の顔が現れて。

千紗が思わず後ずさり。
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