17歳─恋のはじまり─
出席を取り始めた
担任が溜め息。

千紗の視線が
佐々木の席に向いた。


…佐々木くん、
休みなのかな…


昨日のお礼言いたかったのに…


「………」


いや、待てよ?

もしかしたら、
また屋上に居るんじゃ…


千紗の口元が
ふふ、と緩む。


何だかあたしだけが
知ってる秘密みたいで、

心がソワソワする。


本当に居るか分からないけど
早く屋上に行きたい。

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