17歳─恋のはじまり─
佐々木くんはずっと
言葉と行動で

あたしに伝え続けてくれたのに。


「ごめんね、佐々木くん…」

「?」

「あたし、いつも自分しか見えなくて…」



気づいたら涙が溢れて
声が震えた。


同じ過ちはしたくない、
そう思うのに

いつも目の前のことで
精一杯で。


他に頭が回らなくて。



「…泣くなよ。そんなんじゃ、せっかく高倉に誓ったのにまた心配させるぞ」

「…うん、そう…だね」



だけどあたし達は
こうやって成長してくんだ。

何度も間違えて
何度も悩んで

何度も立ち止まって。


こうやって、

成長していくんだ…
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