17歳─恋のはじまり─
あたしってば何してんの//
いくら嬉しいからって!

バッと佐々木くんから離れて
合格通知の紙で顔を隠した。



「…気をつけろよな。こっちの身にもなれっつの」

「…ご、ごめん」

「まぁ、でもこれでお互い決まったな。進路」

「うん…」



佐々木くんは
何気にもう推薦で決まっていて。

予定通り県外の大学に
行ってしまう。


進路が決まったのは
嬉しいけど…

それは春から
離ればなれが決定したということ…



「…何、また不安になってんの?」

「ううん、そうじゃなくて…」

「何?」


下を向いてボソっと話す
あたしを佐々木くんは

覗き込む。


進路が決まって嬉しいはずなのに
なんか…なんか…


「寂しいなって…」

「………」

「立夏は短大に行っちゃうし、佐々木くんは県外に行っちゃうし、」



瑛司はもう、居ないし…

皆、皆…離れてく…


卒業したらこんな風に
佐々木くんとは会えない。

立夏とも寄り道したり
学校でお菓子食べながらお喋りしたり

もう、出来ない。
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