17歳─恋のはじまり─
「もう、会えないって訳じゃないだろ」

「そうだけど…」


でも、瑛司には
会えなくなっちゃったよ…?

そう言いかけて
あたしは口を閉じた。


皆夢に向かって進んでく訳で
だからこそ離れてくのは
当たり前で。

そんなことは
分かってるんだ…


でもこのまま

もう会えないのかな、とか
考えてしまう。


「…都築、」

「?」

「……これ…」



そう言って
差し出されたのは

真っ白な封筒。


宛先も誰からかも
何も書いていない封筒に

あたしは首を傾げた。
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