17歳─恋のはじまり─
「何、で…?」

「高倉が入院してた時、俺会いに行ったんだ。その時に預かった」

「………っ」

「渡したらお前がまた、あの頃に引き戻されると思って…ずっと渡せなかった…ごめん…」


瑛司から手紙…?

手紙は全部で2枚あって、
『千紗へ』という文字から始まっていた。


「高倉が、お前に残したものだよ」

「っ、」

「俺廊下に居るから、読んでやって」



そう言って、
佐々木くんは廊下に出て行った。

静かにドアが閉まる音がして、
あたしは目線を手紙へと向ける。


まさか手紙があるなんて
思わなくて、

手が震える。
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