17歳─恋のはじまり─
すると…


「おー、早川おはよ」

「!」


少し遅れて
瑛司がやってきて。

立夏が困ったように
口を開いた。



「…瑛司くん、ごめん。もしかして…あたしマズッたよね」

「何が?」

「昨日のこと。瑛司くんのこと焦らすつもりとかなかったんだけど…」

「あー…千紗から何か聞いた?」



そう言って
瑛司が無理やり笑う。

立夏の胸が少し痛んで、
きゅっと鞄を抱き締めた。


「…千紗、凹んでた。瑛司くんと喧嘩したって」

「そっか。…やっぱりさ、千紗は俺のこと幼なじみとしか思ってないわ」

「………」

「昨日、驚いてたし。もう、幼なじみも終わりかもな」
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