お見合い結婚


はぁはぁと息を切らして 遼平が
現れた。


顔を見た途端 涙が出た。


「おい!どうした?」


「遼平~」


遼平の胸に頭を付けた。


遼平はポンポンとあたしの背中を叩きながら


「冷えてるじゃないか!
お風呂温めてやるから 帰ろ!」


と言ってすぐに
両手はすりすりして暖めてくれてる。


って…
優しすぎるよ・・・。


今のこの状況にこの優しさ
胸に来るよ・・・。


部屋へ帰ると 直ぐにお風呂場へ行ったかと
思うと 今度は台所に行き


「ほら!飲め!」


と マグカップにカフェオレを
作って持ってきた。


「今 追い焚きしてるから
それで 暖まれ」


バカ 遼平
そんな優しくして
勘違いしちゃうじゃない。


「遼平ありがと!」


「一応婚約者だからな」


婚約者だから
それで 優しくして当然だって。



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