お見合い結婚


「もういい
ありがとう」


携帯を遼平に返した。


「ここからが いいのに!
仲間でサプライズ考えてさ
2人を泣かせてやったのに…」


そんなのどーでもいい
次の写真にまた 奈々子さんが
居ると もっと悲しくなっちゃうもん。


あたし遼平とこのまま暮らしてたら
病になっちゃいそう。


何もかも奪いたくなって・・・。
欲張りになって・・・。
きっと遼平にも迷惑をかけちゃう。


だから
こんな不思議な関係
もういいんじゃない?


そう思うと 言葉を発してた。


「遼平・・・あたし
ここから出ていくね」


・・・・・・。



「はぁ?出て行く?
勝手なことすんな!」


「勝手なことじゃないよ
このままズルズルしてても
意味ないし」


「意味ないって・・・」


「それにさ あたし
あの人が『一緒に暮らそう』って
言ってくれてるんだ
だから・・・」


「ふーん・・・だから?」


「だから 遼平も
好きなことするといいよ」


「聞くんだけどさ
オレの好きなことってなんなん?」


「奈々子さんと暮らすとかさ~」


「はぁ?奈々子?」


「そうよ!奈々子さんとお似合いだもの」


「お似合い?あっそう!
お前もお似合いだよ セルシオと!」


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