お見合い結婚


「あたし 帰ります」


エプロンを勢いよく剥ぎ取り
椅子へかけると


「遼平にチクるつもり?」


って 怖い目をして言った。


「別に あたしの勝手じゃないですか!」


「あんたね!!!」


そんなお姉さんの言葉なんて無視
あたしは 遼平のもとへと行った。


その勢いで 【チクってやろう
お姉さんの本性!】と 思ったが
波留君と遊んでる遼平の姿を見て 
フッと思った。


ここで ホントの事いったら姉弟喧嘩に
なるのは わかってる。


彼女を2号扱いにしてまで
会社を家を守りたいと言う
跡取りとしての決断
遼平の気持ちが どんなものか
考えると 言えなかった。


「帰る」


「あれ?もう終わったのか?
食べて帰らないのか?」


「終わったよ
お姉さん忙しいんだって!
その合間をぬって あたしに
教えてくれたみたい
だから 帰る」


わざとらしく お姉さんの方を
向いて言ってやった。


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