君の傍で
「な…に…これ」


見慣れたはずの部屋が
血だらけになっていた。


そして、その中に
倒れた母親と
知らない男の人。



恐いとか、そんな事より先にあたしは母親のもとに駆け寄っていた。


「お母さん!!お母さん!!」
いくら呼んでも母はぴくりともしなかった。


「死んでるよ」


男の人が言った。


「俺が…殺したんだ……」



「……どういう事?」


男の人は答えてくれない。
ただ倒れた母の姿を見つめていた。



「あなた誰なの!?ねぇ!?なんでお母さんが…」


あたしが言い終わらないうちに男の人が言った。



「警察が来る、そしたらわかるよ」


その時の彼の顔が酷く悲しそうだったのを覚えている。
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