奏龍~彼等の守るもの~
私は今日もこの街で夜を過ごす。
夜と言うなの闇を、紛らしさで消すために。
「ねぇ~♡京介くん!あれかってぇ~」
「あれか?おぅいいぞー。」
目の前を楽しそうなカップルが通る。
私がいるのは繁華街の隅のベンチ。
その前をたくさんの人が行き来している。
ベンチと言っても、座っているわけじゃない。
ベンチの横に小さく丸まっている。
そんな私を見て周りの人は、
「何あの子〜家でかしら?」
「かわいそーね」
などという言葉を呟いている。
確かに、傍から見たらそうなのかも知れない。