I LoVe YoU
 
 ブブブ…
 携帯がライトを放つ。
 ライトの色は…青。
 仁志だ…。

 『やっぱ、諦められん。どうしても別れないといけないの?』
 
 …ごめんなさい。
 ごめん、ごめん、ごめん…。
 
 ピッピッピッ…

 【一件削除】

 …ごめんね…。
 心の奥でつぶやいて、目を瞑ってボタンを押す。
 仁志とのメールは、私の携帯の中から全て消え去った。

 仁志と付き合っていたのは、たった1ヶ月。
 …いや、1ヶ月もなかった…。
 20日くらいだろうか。
 
 今までもそうだった。
 誰と付き合っても同じなの。
 苦しいの。
 好きになっていく自分が、嫌になってしまう…。
 
 「桂汰、どしたの?」
 「あ、有紀。…何でもないよ」
 気づいたら、隣に有紀がいた。
 三代 有紀。
 幼稚園の頃からの幼なじみ。
 「…また、振った?」
 ギクッ
 条件反射…って、こういうことをいうのかな。
 体は気持ちを抑えられずに、感情を表面に出した。
 「そっか…。しょうがないよ。それは、桂汰の正直な気持ちなんだから。自分責めたらだめだよ?いい?」
 …うん。
 言葉には出さなかったけれど…。
 私は、ただ頷いた。
< 2 / 6 >

この作品をシェア

pagetop