TRIGGER!
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風間が彩香の部屋を訪ねたのは、それから二週間が経った夕方の事だった。
相変わらずスーツを着て、髪型もバッチリ固められている。
夕方だというのに、ネクタイを緩めてもいない。
「何か用か?」
玄関の壁にもたれ掛かり、腕組みをしながら彩香は言った。
正直この二週間、風間はおろか峯口の事も思い出さなかった彩香。
「社長から、仕事の依頼です」
「仕事ぉ?」
彩香は聞き返した。
もうすっかり、昼過ぎに起きて夜になると下の『BAR AGORA』に飲みに行くというのが日課になっている彩香。
今夜も、シャワーを浴び終えてこれから出掛けようとしていた矢先だ。
明日からまた何処の工事現場で働かされるか知らないが、朝早く起きられるかどうかが心配だ。
でもまぁ、タダでこんな豪華なマンションに住ませて貰っているのだから、たまには仕事をしてやってもいいかという気持ちにもなる。
「分かったよ、明日何時からだ?」
だから、ここは素直に言う事を聞いてやろうかと思ったのに。
「これからです」
「・・・・・・」
たっぷり五秒の沈黙。
「はぁぁ!? これからぁ?」
ちょっと待てよ、あたしゃこれから下のオカマバーに・・・と、言おうとしたのだが。
有無を言わせない風間。
「出掛けるので、早めに着替えて下さい」
「ちょっと待てって言ってんだろ! 何処に何の仕事しに行くんだよ!?」
「今回はまぁ、楽な仕事です。私が同行しますから、見学のつもりで一緒に来てください」
「答えになってねぇな。まさかどっかのクラブのホステスが足りねぇとか言うんじゃ・・・?」
「彩香さん」
少しだけ呆れたように、風間は彩香を見下ろした。
この風間という男も、ジョージと同じ位の身長がある。
「間違っても客商売に、あなたを使う気はありませんから」
「何だとぉ!?」
彩香自身、客商売がやりたい訳ではないのだが・・・こういう言い回しをされると、それはそれでカチンとくる。
とにかく着替えろと、風間は重ねて言った。
風間が彩香の部屋を訪ねたのは、それから二週間が経った夕方の事だった。
相変わらずスーツを着て、髪型もバッチリ固められている。
夕方だというのに、ネクタイを緩めてもいない。
「何か用か?」
玄関の壁にもたれ掛かり、腕組みをしながら彩香は言った。
正直この二週間、風間はおろか峯口の事も思い出さなかった彩香。
「社長から、仕事の依頼です」
「仕事ぉ?」
彩香は聞き返した。
もうすっかり、昼過ぎに起きて夜になると下の『BAR AGORA』に飲みに行くというのが日課になっている彩香。
今夜も、シャワーを浴び終えてこれから出掛けようとしていた矢先だ。
明日からまた何処の工事現場で働かされるか知らないが、朝早く起きられるかどうかが心配だ。
でもまぁ、タダでこんな豪華なマンションに住ませて貰っているのだから、たまには仕事をしてやってもいいかという気持ちにもなる。
「分かったよ、明日何時からだ?」
だから、ここは素直に言う事を聞いてやろうかと思ったのに。
「これからです」
「・・・・・・」
たっぷり五秒の沈黙。
「はぁぁ!? これからぁ?」
ちょっと待てよ、あたしゃこれから下のオカマバーに・・・と、言おうとしたのだが。
有無を言わせない風間。
「出掛けるので、早めに着替えて下さい」
「ちょっと待てって言ってんだろ! 何処に何の仕事しに行くんだよ!?」
「今回はまぁ、楽な仕事です。私が同行しますから、見学のつもりで一緒に来てください」
「答えになってねぇな。まさかどっかのクラブのホステスが足りねぇとか言うんじゃ・・・?」
「彩香さん」
少しだけ呆れたように、風間は彩香を見下ろした。
この風間という男も、ジョージと同じ位の身長がある。
「間違っても客商売に、あなたを使う気はありませんから」
「何だとぉ!?」
彩香自身、客商売がやりたい訳ではないのだが・・・こういう言い回しをされると、それはそれでカチンとくる。
とにかく着替えろと、風間は重ねて言った。