TRIGGER!
「今までの情報から、私達が仕事をする分には何の問題もありません。どんな外国でも、相当な秘境でもない限り一週間あれば往復出来ますから」
まぁこのご時世、風間の言う通りではあるが。
それに最悪、あっちの世界を通って目的地まで行ったら、ドアを探してこっちの世界に出てから公共交通機関で戻ってもいいし。
やたら紛らわしいが、そんな大事なことを知らずにあっちに行っていたかと思うと、今更ながらムカついてくる。
「どうした? まさかビビってんのか?」
峯口は、黙り込んだ彩香に聞いた。
彩香は静かに目を閉じる。
昨日、ジョージが倒した黒いスーツの男達。
銃で撃たれたんだから当然だが、血を流していた。
いくらあっちの世界でも、ヘマをすれば命がない。
だがそんな事は、彩香にとっては、些細な事でしかなかった。
どうせもう、何処に行っても似たり寄ったりの闇の中だ。
それならば、少しでも楽しんだ方がいい。
「今度また仕事があったら言えよ。遊びがてら、付き合ってやるよ」
そう言うと、彩香はよっこらしょ、と立ち上がる。
峯口が座っているデスクの後ろの大きな窓からは、繁華街の真ん中を流れる川の対岸のネオンが輝きはじめている。
今夜もまた、夜の闇に生きる連中が動き出す時間だ。
そして、彩香もしかり。
「彩香」
社長室を出ようとした彩香に、峯口は声をかける。
「遊びじゃねぇよ。これはな、命をかけたビジネスだ。そう思えば、やりがいってモンも自然と出てくる。そうだろ?」
「はいはい、ビジネスね。心配しなくても、あたしは無駄に死んだりしねぇよ。こう見えても自分の命が一番大事だ」
そう言うと、彩香は社長室を出て行った。
峯口は少しだけ口元を緩ませる。
「全く・・・いいの拾っちまったな」
「見る目は確かですから、社長は」
デスクの横に立ったまま、風間が答えた。
「あぁそうだったな。風間、お前を俺の元に置いたのも、俺に見る目があったからだ。そうだろ?」
それには答えずに、風間は窓の外に広がる景色に、視線を送った。
まぁこのご時世、風間の言う通りではあるが。
それに最悪、あっちの世界を通って目的地まで行ったら、ドアを探してこっちの世界に出てから公共交通機関で戻ってもいいし。
やたら紛らわしいが、そんな大事なことを知らずにあっちに行っていたかと思うと、今更ながらムカついてくる。
「どうした? まさかビビってんのか?」
峯口は、黙り込んだ彩香に聞いた。
彩香は静かに目を閉じる。
昨日、ジョージが倒した黒いスーツの男達。
銃で撃たれたんだから当然だが、血を流していた。
いくらあっちの世界でも、ヘマをすれば命がない。
だがそんな事は、彩香にとっては、些細な事でしかなかった。
どうせもう、何処に行っても似たり寄ったりの闇の中だ。
それならば、少しでも楽しんだ方がいい。
「今度また仕事があったら言えよ。遊びがてら、付き合ってやるよ」
そう言うと、彩香はよっこらしょ、と立ち上がる。
峯口が座っているデスクの後ろの大きな窓からは、繁華街の真ん中を流れる川の対岸のネオンが輝きはじめている。
今夜もまた、夜の闇に生きる連中が動き出す時間だ。
そして、彩香もしかり。
「彩香」
社長室を出ようとした彩香に、峯口は声をかける。
「遊びじゃねぇよ。これはな、命をかけたビジネスだ。そう思えば、やりがいってモンも自然と出てくる。そうだろ?」
「はいはい、ビジネスね。心配しなくても、あたしは無駄に死んだりしねぇよ。こう見えても自分の命が一番大事だ」
そう言うと、彩香は社長室を出て行った。
峯口は少しだけ口元を緩ませる。
「全く・・・いいの拾っちまったな」
「見る目は確かですから、社長は」
デスクの横に立ったまま、風間が答えた。
「あぁそうだったな。風間、お前を俺の元に置いたのも、俺に見る目があったからだ。そうだろ?」
それには答えずに、風間は窓の外に広がる景色に、視線を送った。