TRIGGER!
案の定銃声は格段に少なくなり、電車の車体にビシッ、ビシッと穴が開く音が聞こえる。
彩香は自動販売機まで辿り着くと、ジョージの肩を揺さぶる。
「おい大木! 呑気に寝てんじゃ・・・」
ジョージが、低く呻く。
Tシャツにシワが寄るほどキツく脇腹を抑えた左手からは、血が滲んでいた。
「おい、しっかりしろよ!!」
彩香の顔から血の気が引いた。
電車が発車する合図のベルが、ホームに鳴り響く。
彩香は内心、舌打ち。
ジョージはまた呻き、眉間にシワを寄せる。
その額からは、汗がうっすらと滲んでいた。
向かい側からの発砲は、今は止んでいる。
電車が動き出すのを、待っているかのように。
「大木! 目ェ覚ませ!!」
下手に身体を動かせない。
だが、ジョージの左手の指の隙間からはまだ、血が流れ落ちている。
電車がゆっくりと動き出す。
風間も階段の登り口から、反対側のホームに向かって銃口を向けて。
「起きろ! 大木・・・」
彩香はジョージの頬を叩いた。
電車は徐々にスピードを上げる。
「ジョージ!!」
彩香は叫んだ。
電車は過ぎ去り、ホームから彩香達二人の姿は丸見えになった。
彩香はジョージを庇うように身体をずらし、反対側のホームに狙いを付ける。
その時。
「お迎えご苦労だなぁ」
そんな声と同時に、彩香のお尻を、何かが触った。
ギョッとして振り向くと、ジョージがこっちを見上げている。
「何すんだテメェ!!」
「天使の声にしちゃ、可愛げがないな」
「なぁにィィ!?」
言いながら、彩香は銃を撃つ。
相手が何処にいるのか分からないから、闇雲に。
ゾンビに向かって。
「あーあ、弾、もったいねぇなぁ・・・」
「減らず口叩く気力があったら立ち上がれこのタコ」
そうだよなぁ、と、ジョージは呟いて。
足に力を入れて、立ち上がる。
風間の腕か、最初よりも銃弾が撃ち込まれる数が減って来ているような気がする。
――・・・行けるか、今なら。
彩香は銃口を向けながら、ジョージを支えた。
「こんなチビじゃ、杖の役にも立たねぇな」
ジョージは言って、彩香から銃を取り上げた。
「何すんだよ?」
「お前より俺の方が上手いんだよ。杖は黙って支えてろ」
そう言いながら、ジョージは風間に少しだけ視線を送った。
そして、銃を少し動かして、何かの合図を送る。
風間は小さく頷いて。
発砲しながら、階段の方へ少しずつ移動していく彩香とジョージ。
不思議と、相手からの発砲が半減していき。
階段に辿り着く頃には、もうどこからも銃声は聞こえなくなっていた。
彩香は自動販売機まで辿り着くと、ジョージの肩を揺さぶる。
「おい大木! 呑気に寝てんじゃ・・・」
ジョージが、低く呻く。
Tシャツにシワが寄るほどキツく脇腹を抑えた左手からは、血が滲んでいた。
「おい、しっかりしろよ!!」
彩香の顔から血の気が引いた。
電車が発車する合図のベルが、ホームに鳴り響く。
彩香は内心、舌打ち。
ジョージはまた呻き、眉間にシワを寄せる。
その額からは、汗がうっすらと滲んでいた。
向かい側からの発砲は、今は止んでいる。
電車が動き出すのを、待っているかのように。
「大木! 目ェ覚ませ!!」
下手に身体を動かせない。
だが、ジョージの左手の指の隙間からはまだ、血が流れ落ちている。
電車がゆっくりと動き出す。
風間も階段の登り口から、反対側のホームに向かって銃口を向けて。
「起きろ! 大木・・・」
彩香はジョージの頬を叩いた。
電車は徐々にスピードを上げる。
「ジョージ!!」
彩香は叫んだ。
電車は過ぎ去り、ホームから彩香達二人の姿は丸見えになった。
彩香はジョージを庇うように身体をずらし、反対側のホームに狙いを付ける。
その時。
「お迎えご苦労だなぁ」
そんな声と同時に、彩香のお尻を、何かが触った。
ギョッとして振り向くと、ジョージがこっちを見上げている。
「何すんだテメェ!!」
「天使の声にしちゃ、可愛げがないな」
「なぁにィィ!?」
言いながら、彩香は銃を撃つ。
相手が何処にいるのか分からないから、闇雲に。
ゾンビに向かって。
「あーあ、弾、もったいねぇなぁ・・・」
「減らず口叩く気力があったら立ち上がれこのタコ」
そうだよなぁ、と、ジョージは呟いて。
足に力を入れて、立ち上がる。
風間の腕か、最初よりも銃弾が撃ち込まれる数が減って来ているような気がする。
――・・・行けるか、今なら。
彩香は銃口を向けながら、ジョージを支えた。
「こんなチビじゃ、杖の役にも立たねぇな」
ジョージは言って、彩香から銃を取り上げた。
「何すんだよ?」
「お前より俺の方が上手いんだよ。杖は黙って支えてろ」
そう言いながら、ジョージは風間に少しだけ視線を送った。
そして、銃を少し動かして、何かの合図を送る。
風間は小さく頷いて。
発砲しながら、階段の方へ少しずつ移動していく彩香とジョージ。
不思議と、相手からの発砲が半減していき。
階段に辿り着く頃には、もうどこからも銃声は聞こえなくなっていた。