TRIGGER!
「じゃあ聞くけどな」
ジョージの腕を彩香の肩から外しながら、風間は言った。
風間はジョージに話し掛ける時だけは、敬語を使わない。
「駅のホームで、何故あれだけ動けた? 床の血の量は多かった。撃たれてから結構時間が経っていた筈だ。それなのに何故だ?」
駅のホームで、彩香がジョージを助けに行った時。
普通の人間なら、瀕死の重傷の筈なのに。
ジョージは何も答えずに、ウイスキーをグラスに注いでいる。
すると風間は、そんなジョージの顔を覗き込んで。
「彩香がお前の傍にいたからだ。違うか?」
「・・・・・・は?」
いきなりの展開に、彩香は驚く。
それでも風間は止まらない。
「あの状況では、彩香が危険だった。だからお前は動けたんだ」
「さっきから言わせておけば・・・!」
ジョージは立ち上がる。
「隼人、テメェこそいつの間にか、彩香を呼び捨てにしてるじゃねぇか。いつもは気取って『彩香さん』なのによ。どうした、酔いが回ってそんな事にも気付かないのかぁ?」
「お前に言われるのが、一番癪に障るな」
そう言いながら、風間もゆらりと立ち上がる。
こいつら一体、何の話をしてるんだ?
睨み合う二人に挟まれて、彩香一人だけが意味不明の状態だ。
今にも掴み合いを始めようとするジョージと風間。
そこへ、キウイがカラオケ用のマイクを持ってアナウンスを始める。
「さぁ~今夜最大のイベント、恋する男同士のデスマッチよぉ! この店のルールはご存知よね、勝者には報酬を! てことで今回の報酬はぁ~!」
キウイは、ビシッと彩香を指さして。
「何処がいいのか分かんないこのアバズレ・・・じゃなかったお転婆娘、彩香よぉ~!」
彩香は思わず、飲もうとしていたウイスキーをブッと吐き出した。
「なっ・・・なな何で・・・!?」
ゴホッゴホッと咳き込みながら、彩香は睨み合いながらカラオケのステージに移動するジョージと風間を見て。
ボックス席の客達は、既にどっちが勝つか予想を始めている。
「おい止めろ、アホらしい!」
カウンターに戻って(避難して?)きた桜子に、彩香は言った。
だが桜子は笑って。
「やらせておきなさいよ。これでいいのよ、男って単純だから」
「知らねえぞ、店がどうなっても」
「あらぁ、そこら辺は大丈夫よ。あなた達に請求書回すから♪」
「テメェ今あたしも数に入れたか!?」
冗談じゃねぇ、と、彩香は立ち上がる。
こんな事で余計な出費がかさむのは、断じてゴメンだ。
ワーワーワーと盛り上がるボックス席を通り過ぎ、彩香はステージの上の二人の前に走り寄る。
そして、その勢いに乗ってジャンプして。
ジョージと風間二人に、思い切り蹴りを入れた。
ジャンプに気合が入りすぎたのか、思わず高い位置まで足が上がり。
「ぐわっ!?」
「がぁっ!?」
彩香の蹴りは、二人の顔に見事にヒットした。
ジョージの腕を彩香の肩から外しながら、風間は言った。
風間はジョージに話し掛ける時だけは、敬語を使わない。
「駅のホームで、何故あれだけ動けた? 床の血の量は多かった。撃たれてから結構時間が経っていた筈だ。それなのに何故だ?」
駅のホームで、彩香がジョージを助けに行った時。
普通の人間なら、瀕死の重傷の筈なのに。
ジョージは何も答えずに、ウイスキーをグラスに注いでいる。
すると風間は、そんなジョージの顔を覗き込んで。
「彩香がお前の傍にいたからだ。違うか?」
「・・・・・・は?」
いきなりの展開に、彩香は驚く。
それでも風間は止まらない。
「あの状況では、彩香が危険だった。だからお前は動けたんだ」
「さっきから言わせておけば・・・!」
ジョージは立ち上がる。
「隼人、テメェこそいつの間にか、彩香を呼び捨てにしてるじゃねぇか。いつもは気取って『彩香さん』なのによ。どうした、酔いが回ってそんな事にも気付かないのかぁ?」
「お前に言われるのが、一番癪に障るな」
そう言いながら、風間もゆらりと立ち上がる。
こいつら一体、何の話をしてるんだ?
睨み合う二人に挟まれて、彩香一人だけが意味不明の状態だ。
今にも掴み合いを始めようとするジョージと風間。
そこへ、キウイがカラオケ用のマイクを持ってアナウンスを始める。
「さぁ~今夜最大のイベント、恋する男同士のデスマッチよぉ! この店のルールはご存知よね、勝者には報酬を! てことで今回の報酬はぁ~!」
キウイは、ビシッと彩香を指さして。
「何処がいいのか分かんないこのアバズレ・・・じゃなかったお転婆娘、彩香よぉ~!」
彩香は思わず、飲もうとしていたウイスキーをブッと吐き出した。
「なっ・・・なな何で・・・!?」
ゴホッゴホッと咳き込みながら、彩香は睨み合いながらカラオケのステージに移動するジョージと風間を見て。
ボックス席の客達は、既にどっちが勝つか予想を始めている。
「おい止めろ、アホらしい!」
カウンターに戻って(避難して?)きた桜子に、彩香は言った。
だが桜子は笑って。
「やらせておきなさいよ。これでいいのよ、男って単純だから」
「知らねえぞ、店がどうなっても」
「あらぁ、そこら辺は大丈夫よ。あなた達に請求書回すから♪」
「テメェ今あたしも数に入れたか!?」
冗談じゃねぇ、と、彩香は立ち上がる。
こんな事で余計な出費がかさむのは、断じてゴメンだ。
ワーワーワーと盛り上がるボックス席を通り過ぎ、彩香はステージの上の二人の前に走り寄る。
そして、その勢いに乗ってジャンプして。
ジョージと風間二人に、思い切り蹴りを入れた。
ジャンプに気合が入りすぎたのか、思わず高い位置まで足が上がり。
「ぐわっ!?」
「がぁっ!?」
彩香の蹴りは、二人の顔に見事にヒットした。