☆君を忘れない☆
急いだ甲斐があったのか、予定より早くつくことができた。
「ふぅ・・・良かったぁ・・・」
時間を確認すると、まだ20分も余裕があった
安心して、今度はゆっくりと歩く事ができた。
スクールの中に入れば、冷房が効いていて、心地よい風が私を包む。
滲んでいた汗も、だんだんと引いていった。
「こんにちわー!!!」
自分の担当のコーチが居る部屋を空けながら、元気よく挨拶する。
挨拶は基本だから、忘れちゃいけないよねー
部屋に入れば、もう数人きていた。
私は迷うことなく、彼の元へ駆け寄った。
「志月先輩!」
私がそう声をかければ、ゆっくりと振り向いて、
「お、来たな。今日は遅かったね?」
優しい微笑みを浮かべながら、私の頭を撫で回した。
彼の微笑みに、ドキっと胸が高鳴るのは、いつものことだ。