ラジオドラマ
「場所・・・ばれたよな・・・。」
そう思うと、ため息をつかずにはいられない。
自分のもっとも得意な時間帯で魔法を使ったのだ。
時差や星の並び、そして月の位置。
ジュードほどのヴァンパイアが、それらの知識がないとは思えない。
確実に、あいつは日本に来るだろう。
自らの策が見事に裏目に出てしまったのだ。
「はぁ・・・どうしようっかなぁ~?」
のんきな声を上げながらも、問題は深刻だった。
吸血鬼がこの国に来る。
増えすぎた人口。
悪化しつつある治安。
・・・・この国にはエサが抱負だ。
「・・・・・・・・・・ローマ教会に協力を求めるかな?」
思いつつも、それは反則だと思った。
聖騎士、十字軍、悪魔祓い師、そして・・・ヴァンパイアハンター。
対吸血鬼用の軍備なら彼らには事欠かないだろう。
だが・・・・
「元を正せば・・・俺が巻いた種か・・・・・。」
勝てると思った。
瞬殺だと思った自分の読みがあった。
おごりが、この結果を生んだのだ。
だったら・・・。
「やっぱり、自分で片をつけないと締りが悪いか・・・。」
言うと、悠人は一人静かに家を後にした。