ラジオドラマ
「そうだよ・・・っていうか、お前以外に誰がいるんだよ?」
“ちょっと、吸血鬼なんて、私だって恐ろしいわよ。しかもあのジュード・ヴァレンタインでしょ?見つかったら、殺されちゃうわ!”
「そしたら、逃げればいいだろう?」
“無理言わないでよ!そりゃ、私たちは俊足で飛べると言っても、限度があるわよ!限度が!”
「一応、理論上ではお前たちの方が足は速いのだけどな・・・。」
吸血鬼は空を飛べても、その速度はこうもりと同じ。
一応、カラスとこうもりでは、カラスの方が早い・・・。
“そんな理論で言ったら、あなたの魔法でその吸血鬼だって、倒せているでしょ?”
・・・ごもっとも。
「でも、お前に頼むしかないんだよ・・・。この国で・・・特に・・・この街でこれ以上誰かが危険にさらされるのはごめんだ。」
・・・・・かつて、この街には凶悪な魔法使いがいた。
彼のせいで、多くの人が苦しみ、命を落とした。
自分の周りでも友人の、小松さん、由良・・・そして、美琴が、その命の危険をさらされた。
・・・・もう、あんなことはごめんだ。
だから、どんなことをしてもあいつは追い払う。
吸血鬼なんぞにこの街の誰一人、指一本ふれさせるものか。