ラジオドラマ
「それと、もう一つ言っておこうか・・・今の動き見て、確信したんだが、俺・・・肉弾戦でもお前に勝てる自信あるぞ。」
由良は大きくため息をつく。
いったい、多くの犠牲を払い、莫大な金をつぎ込み・・・科学者は何を作ったのだろうか・・・。
彼らの中には・・・・・・『戦い』と言うものが、どういうものか、教えてやる人間はいなかったのか?
不憫だ・・・・。
この子はあまりに不憫だ・・・・・・。
「そんなはずないと思うよ。」
8はまた抑揚なく、それが当たり前であるように、声を上げる。
「だったら、かかって来いよ。お人形さん。」
それが、合図。
8はすぐに由良の視界から消える。
俊足。
いや・・・もはや神足と言うべきだろう。
その動きを人間の視野で追うことは出来ない。
・・・・・・・確かに、コレなら銃やライフルなど遠距離武器は、効果をなさないな。
由良は大きくため息をつくと、自分の首元にナイフを突きつけた。
瞬間。
「!」
8の腕が由良のナイフによって受け止められる。
「どうして?」
そんなことが、あるはずないといわんばかりの8の表情。
負けたことがないゆえのおごりか・・・。