ラジオドラマ
「覚えておけ、いかにお前が優れていようと、いかにお前が人外の能力を持っていようと、それを上回る人間はいくらでもいる。強くなりたいなら学べ。守りたい人がいるなら、能力に頼るな。」
コレばかりは知っておかねば、ならない資料だった。
つまり・・・・8が施設から出て、どこに行ったのか・・・。
彼女は引き取られたと書いてあった。
普通の少女として・・・一人の少女して・・・。
おそらく勉強も始めたのだろう。
誰にも教えてもらえなかった文字も、教わり、それで一生懸命文章を書いたのだろう。
・・・それが果たし状というのが、いささかいただけないが・・・。
彼女にはようやく未来が出来たのだ。
人に作られた生き物が、幸福を得られる権利を得たのだ。
もちろん、壁はある。
敵だっている。
だからこそ・・・・由良は彼女に教えたかった。
弱肉強食・・・その法則は、人間相手には通用しないと・・・。