ラジオドラマ

「負けたよ・・・完敗だ。まさか、あれだけの巨人・・・しかも、主力兵器をただの囮に使うなんて、思いもよらなかった。」


 ジークが参ったと言わんばかりの声を上げる。


 ・・・だが・・・海人はそんなジークにどうしても聞いておかねば、ならないことがあった。


「なぁ・・・どうして、応援を呼ばなかった?」


 そう・・・それはどうしても、海人が思っていた疑問。


 彼は軍人だ。


 一言声をかければ応援はいくらでもいるだろうし、軍曹という階級柄、部下がいないとは考えにくい。


 いくらギア・ドールと言う巨大兵器を有しているとはいえ、集団と言う武器には勝ち目がない。


 こいつ・・・最初から俺に、ギア・ドールという武器があることを知っていて、どうしてワザワザ単身・・・しかも自分が不利だと分かる廃ビルなんぞに乗り込んできた?


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