ラジオドラマ
「・・・・・・・・・男同士の一騎打ちだぜ?邪魔されてたまるか?」
それが、ジークの答え。
・・・・・・・なるほど、そういうコトか・・・。
つまり・・・こいつと俺では、戦っている考え方が違いすぎたのだな。
命のやり取りにこだわった海人と、一騎打ちにこだわったジーク。
・・・・・・・・・・だとしたら、俺のしたことは・・・。
「・・・・そうか・・・。」
それだけ口にすると、海人はジークのコメカミに向けていた銃をポケットにしまう。
ポケットから、タバコを取り出し、火をつける。
一息。
そして・・・。
「だとしたら、この勝負はお前の勝ちやな。」
紫煙と共に吐き出した。
そう・・・この勝負は、海人の方こそが完敗だったのだ。
一騎打ちにこだわったジークの前に、協力を・・・しかも反則並みの強力な仲間に応援を求めた。
それは・・・言うまでもなく、海人の反則負けを意味している。
「え・・・?」
ジークの驚いた声。
だが、海人はそれ以上の会話をしようとせず、さっさと踵を返して、歩き出す。