ラジオドラマ

 フェイス「棄権ですか?」


 マルディウス戦記の中。


 ボクの前には、魔術師がいた。


 彼女がボクに勝つことが出来ないだろうというのは、大方予想が付いていた。


 だから、どのような手段に出てくるのかと、思っていたら・・・。


 仁「そうだ。戦う必要がない相手と無意味に戦うのも、ばかげている・・・そう思っただけだ。」


 フェイス「はぁ・・・ボクとしては一向に構わないですが・・・。」


 だが、それが、罠ではないと誰が言い切れる?


 仁「お前の定義は『最強』・・・勝てないと思えば、身を引く、当然の判断だろう?」


 なるほど。


 相手は、ボクが思っていた以上に、頭が切れるみたいだ。


 ボクと戦うことのリスクを瞬時に判断したか・・・。


 フェイス「そうですね。お互いに住む世界が違うのならば、そのような判断になるのも仕方ないかと・・・。」


 仁「まったくもって・・・。物理攻撃にでる手段だって取れるというのに・・・。」


 言うと、どこか仁は大きくため息をついたような気がした。


 分かっている。


 彼女からしてみれば、ボクを物理攻撃で消滅させるぐらい、造作もないことだろう。


 だが・・・・。


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