ラジオドラマ

 仁「最後に、不毛な質問をしていいか?」


 フェイス「なんでしょう?」


 仁「人の背負いし罪は・・・贖罪されるものだと思うか?」


 何ゆえ、こんな質問を?


 まぁ、考えるべきではないか・・・。


 フェイス「不毛な質問ですね。」


 仁「だから、最初にそう言った。」


 フェイス「結論から言うと、一度背負いし罪は、決して清算されることはない・・・と思います。」


 仁「ゆえに、お前は話術師ナンバーを降りないと?」


 フェイス「だから、あなたも魔術師をやめようとしない。違いますか?」


 仁「まったくだな・・・。」


 もし、お互いにお互いの定義を外れるときが来るならば・・・それは、本当に罪が贖罪された日のことなのだろう。


 だが・・・・もし・・・そんな日が来るならば・・・。


 フェイス「でも・・・もし、ボクにそんな日が来るならば、そのときは、魔術を教えてもらえれば、嬉しいです。」


 仁「いいだろう・・・そして、もしその逆のときはぜひ、私に話術を教えて欲しいものだな。」


 フェイス「リスクは高そうですがね。」


 仁「それは、お互い様だ。」


 言うと、どこか仁が笑ったような気がしたので、ボクもとりあえず、笑ってみた。


 もちろん、それはボクの意識がそうさせたのかもしれないが・・・。


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