ラジオドラマ

 そして、仁は最後に


 仁「勝負にはならなかったが、有意義な時間をすごせたと思うよ。ありがとう。」


 と言う言葉を捨て台詞に、ボクの前から立ち去って行った。


 いったい、彼女は最後に何をしたかったのだろうか?


 考えても無駄なことなのだろう。


 勝負には勝ったのかもしれない。


 ボクが負けることは許されない。


 それこそが、最強ナンバーゆえの運命。


 だから、魔術師でも容赦はしなかった。


 だが・・・あの言葉を残されたならば・・・。


 フェイス「そしたら、ボクも有意義な時間を過ごしたと思うしかないではないか・・・。」


 そう思うと、どこか勝負には勝ったが、試合には負けた気分になったのだった。





 おわり


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