その嘘は心の底の愛でした〜先生と私〜
Prologue
カッカッカッ……
黒板に書くチョークの音が夏の教室に響き渡る。
「…じゃあここまでノート書き写して〜。って起きろー!!!」
只今、体育の授業が終わった後の地理の授業。
6限ということもありクラスメイトはほぼ爆睡。
もちろん私も半目状態。
「ほら〜。起きてノートとれや〜」
私の隣の席の寝ている男子生徒の頭を手でグリグリする先生。
「先生、力強すぎ…」
「嫌ならノートとって人の話聞け!それから宮野も!!!!」
いつものようや頭を軽くポンと触れられ、机にもたれかかっていた私の体が飛び跳ねた。
「……平沢せんせぇ、おはよーございます…」
「おはよ。じゃなくて、お前顔すごいぞ(笑)次寝てたら強烈デコピンだからな?ちゃんとノートとれよ?」
悪戯っぽくにっこり笑った顔がかわいい。
胸の奥でキュンと音がした。
「じゃあ、そろそろ次進むぞ。教科書45頁を開け」
教団に向かう先生の背中を私は眺めていたー。
胸のキュンという音と切なさに格闘しながら…