I love you に代わる言葉
ハッとして玄関がある方向へ顔を向け、耳を澄ませる。今井も吃驚し素早く身を起こした。
「え……誰が入ってきたんだ……?」
やっと聞き取れる程の小さな声で、今井は尋ねてくる。ボクが一人暮らしだと思い込んでいるから、誰かが勝手に扉を開けた事に驚いているんだろう。身内でも普通はチャイムを押す。
ボクは今井の問い掛けに何も答える事が出来なかった。ボクも少なからず驚いていたから。
本を横に置き、玄関へ向かう為徐に立ち上がる。チラッと今井に視線を向けると、強張った顔の今井と目が合った。
謎の侵入者を泥棒とでも思っているのか。家族が勝手に入ってきたとしても、一先ず呼び掛けるだろうから。だが、侵入者は何も言わない。扉が開いたきり物音がしない所から察するに、玄関で立ち尽くしている筈だ。ボク等の出方を探っているのかも知れない。
ボクは嫌な予感しかしなかった。泥棒の方がかえって良かったかも知れない。
開け放たれた襖からスッと姿を見せて、玄関に立つ人物を見据えた。
――嫌な予感は、当っていた。
「え……誰が入ってきたんだ……?」
やっと聞き取れる程の小さな声で、今井は尋ねてくる。ボクが一人暮らしだと思い込んでいるから、誰かが勝手に扉を開けた事に驚いているんだろう。身内でも普通はチャイムを押す。
ボクは今井の問い掛けに何も答える事が出来なかった。ボクも少なからず驚いていたから。
本を横に置き、玄関へ向かう為徐に立ち上がる。チラッと今井に視線を向けると、強張った顔の今井と目が合った。
謎の侵入者を泥棒とでも思っているのか。家族が勝手に入ってきたとしても、一先ず呼び掛けるだろうから。だが、侵入者は何も言わない。扉が開いたきり物音がしない所から察するに、玄関で立ち尽くしている筈だ。ボク等の出方を探っているのかも知れない。
ボクは嫌な予感しかしなかった。泥棒の方がかえって良かったかも知れない。
開け放たれた襖からスッと姿を見せて、玄関に立つ人物を見据えた。
――嫌な予感は、当っていた。