I love you に代わる言葉
*
「――アンタもさ、好意持ってるやつがいるわけ?」
午前一時を過ぎた頃、ボク達は就寝の準備を始めた。と言っても、ボクの眠る場所を確保し、布団を敷いただけの事だが。部屋の端に敷きっ放しだった今井の布団はそのまま、中央のテーブルを僅かに動かし今井の布団に近付ける。その隣に、ボクが使う布団を敷いた。要するに、テーブルを間に挟み、形は川の字だ。
消灯し寝転がったと同時に、ボクは唐突に尋ねた。
「な、何だよ突然」
仰向けになって頭の後ろで手を組むように寝転がる今井は、ボクの質問に酷く驚いているようだった。唐突だったし、何よりボクは、他人に無関心だったから何かを尋ねるという事もこれまでしなかった。だから自分について何かを問うボクは、今井から見れば新鮮でもあり不気味でもあり、嬉しくもあったんじゃないだろうか。
今井と同じく仰向けに寝転がったボクの顔に、横から今井の視線が突き刺さる。本当に酷く驚いているみたいだ。
「別に。アンタは“好き”という感情を知ってたし、人にそれを教えられるという事は、少なくともそういう感情を持った事があるんだろ」
質問した理由を言えば、「ああー」と何処か納得しながらまた天井を向いた。今井の方を向かなくても、枕に髪が擦れる音で動作を確認出来る。今井はポツリと言った。
「――アンタもさ、好意持ってるやつがいるわけ?」
午前一時を過ぎた頃、ボク達は就寝の準備を始めた。と言っても、ボクの眠る場所を確保し、布団を敷いただけの事だが。部屋の端に敷きっ放しだった今井の布団はそのまま、中央のテーブルを僅かに動かし今井の布団に近付ける。その隣に、ボクが使う布団を敷いた。要するに、テーブルを間に挟み、形は川の字だ。
消灯し寝転がったと同時に、ボクは唐突に尋ねた。
「な、何だよ突然」
仰向けになって頭の後ろで手を組むように寝転がる今井は、ボクの質問に酷く驚いているようだった。唐突だったし、何よりボクは、他人に無関心だったから何かを尋ねるという事もこれまでしなかった。だから自分について何かを問うボクは、今井から見れば新鮮でもあり不気味でもあり、嬉しくもあったんじゃないだろうか。
今井と同じく仰向けに寝転がったボクの顔に、横から今井の視線が突き刺さる。本当に酷く驚いているみたいだ。
「別に。アンタは“好き”という感情を知ってたし、人にそれを教えられるという事は、少なくともそういう感情を持った事があるんだろ」
質問した理由を言えば、「ああー」と何処か納得しながらまた天井を向いた。今井の方を向かなくても、枕に髪が擦れる音で動作を確認出来る。今井はポツリと言った。