I love you に代わる言葉
「いる、っていうか、いたな」
「ふーん」
 答えを聞いて、やっぱりか、としか思わなかった。知っているからこそ、ボクの気持ちを見付ける事が出来たんだろう。適当に相槌を打ち、それから数秒沈黙が訪れた後、今井がこちらを向いて声を上げた。
「お前、ふーんって……それだけかよ!? もっとこう……何かあるだろ! いつの話だとか、どんな子だったのかとか、もっと詳しく聞きたいと思わないのか!」
「ああ、その辺は心底どうでもいいよ。ていうか静かにしなよ」
 本当に興味無かったから目を閉じて無感情に言えば、今井はわざとらしく大きく溜息をついた。それから何か言いたげな視線を感じたが、諦めたのか今井はまた天井を仰ぐ。

「中学ん時さー……、」

 ボクは薄く目を開けた。
 聞いてもいないのに何か語り出したんだけど。
 ボクは小さく溜息をついて、そしてやっぱり目を閉じた。ボクが何も言わないからか、今井は言葉を続けた。
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