I love you に代わる言葉
「二・三年の時同じクラスだった、上原さんって人が好きだったんだよ。全然目立つタイプじゃねぇし、顔もそこまで美人でもなかったけど、何か可愛かったんだよな。隣の席になってから話すようになって、で、俺みたいなやつにも偏見持たず優しく接してくれたな」
 相槌は特に打たず、目を閉じ黙って聞いていた。
「結構本気で好きだったけど、結局卒業まで気持ちは伝えなかったな。ま、伝えてなくて良かったのかも知れねぇけど」
 ボクは目を開けて今井に視線を送る。今井は天井を見たままだった。
「高校別々になっちまったし、いい結果だったにしろ、どうせ駄目になってただろうな、って。去年、友達と歩いてる所を偶然見掛けたけど、何か色々変わっちまってたなー。髪も染めて化粧も濃いし、今時のギャルみたいになってた。素朴な感じが好きだったから、環境で変わったんだなーって少し寂しい感じがしたな。まぁその頃は、俺の気持ちも当時程無かったし、軽いショックを受けた程度だったけどな。ははっ、でも、軽くでもショックはショックでさ、何かどうでもよくなって自棄んなって、それから万引きとかするようになったな」
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