I love you に代わる言葉
「え?」
ボクの言葉に信じられないという顔で、瞳をそれはもう真ん丸にしていたけど、すぐに破顔した。
「本当ですか?」
瞳を輝かせ嬉しそうに微笑む。
「うん。正確には幾らなの?」
「えっと……消費税込で二千七百円です」
財布から金を抜き、それをカウンターへ無造作に置いた。
「この壊れたものでなくてもいいんですよ。同じものなら他にもありますし」
おねーさんはそう言ったけど、これじゃないといけなかった。
「別にいいよ。粉々になってたら流石に要らないけど、角が欠けてるだけだし」
財布をポケットに戻しながら言う。
「……そうですか?」
こくんと頷いて見せると、おねーさんはその紫色の鉱物を丁寧に梱包し出した。
「これなんて石?」
これがもう一つの目的。ボクに傷を付けたこいつの名を知る事。
「アメシストですよ。和名を紫水晶と言います」
梱包しながらもきちんと顔を上げて、目を見て話そうとする。それでも手を動かしている辺り、慣れているのだと思わせる。
「ふーん、紫の水晶ってわけね」
「はい。群晶なので身に付けたり持ち歩くよりも、何処かに飾っておくのがいいと思います。因みにこれはウルグアイ産のもので、高貴で深みのある濃い紫色なのが特徴なんですよ」
うん、グンショウね。その意味が解らないけど適当にふーんと返す。別に興味ないから正直どうでもいいし。
会計を済ませおねーさんから紙袋を受け取る。
これで二つの目的が達成された。
「アメシストが持つ意味、聞きますか?」
「いらない。ボクは信じてないし」
「……そう言うと思いました。あ、先端が尖っていますし、怪我しない様、お取り扱いは十分注意して下さいね。今日は本当にありがとうございます」
ニッコリと笑うおねーさんに、はいはいと軽く返事をして手をひらひらさせた。背を向けて歩き出すけど背後に視線を感じる。きっとまだ嬉しそうに微笑んでいるんだろう。ありがとうございましたという声がまた聞こえる。語頭と語尾とで僅かに声の感じが違うから、きっとご丁寧に深くお辞儀したんだろう。
嬉しそうに笑うおねーさんの笑顔を思い出して、思わず笑いそうになった。
ボクの言葉に信じられないという顔で、瞳をそれはもう真ん丸にしていたけど、すぐに破顔した。
「本当ですか?」
瞳を輝かせ嬉しそうに微笑む。
「うん。正確には幾らなの?」
「えっと……消費税込で二千七百円です」
財布から金を抜き、それをカウンターへ無造作に置いた。
「この壊れたものでなくてもいいんですよ。同じものなら他にもありますし」
おねーさんはそう言ったけど、これじゃないといけなかった。
「別にいいよ。粉々になってたら流石に要らないけど、角が欠けてるだけだし」
財布をポケットに戻しながら言う。
「……そうですか?」
こくんと頷いて見せると、おねーさんはその紫色の鉱物を丁寧に梱包し出した。
「これなんて石?」
これがもう一つの目的。ボクに傷を付けたこいつの名を知る事。
「アメシストですよ。和名を紫水晶と言います」
梱包しながらもきちんと顔を上げて、目を見て話そうとする。それでも手を動かしている辺り、慣れているのだと思わせる。
「ふーん、紫の水晶ってわけね」
「はい。群晶なので身に付けたり持ち歩くよりも、何処かに飾っておくのがいいと思います。因みにこれはウルグアイ産のもので、高貴で深みのある濃い紫色なのが特徴なんですよ」
うん、グンショウね。その意味が解らないけど適当にふーんと返す。別に興味ないから正直どうでもいいし。
会計を済ませおねーさんから紙袋を受け取る。
これで二つの目的が達成された。
「アメシストが持つ意味、聞きますか?」
「いらない。ボクは信じてないし」
「……そう言うと思いました。あ、先端が尖っていますし、怪我しない様、お取り扱いは十分注意して下さいね。今日は本当にありがとうございます」
ニッコリと笑うおねーさんに、はいはいと軽く返事をして手をひらひらさせた。背を向けて歩き出すけど背後に視線を感じる。きっとまだ嬉しそうに微笑んでいるんだろう。ありがとうございましたという声がまた聞こえる。語頭と語尾とで僅かに声の感じが違うから、きっとご丁寧に深くお辞儀したんだろう。
嬉しそうに笑うおねーさんの笑顔を思い出して、思わず笑いそうになった。