I love you に代わる言葉
「……ありがとうございます。それ、オルゴールなんですよ」
「へぇ」
僅かな間は何だ?
「さっき部屋に来る前、音色が聞こえてきたけど、もしかしてそれ?」
「ああ、……はい」
声の調子はいつも通りなのに、違和感を感じる。何だろう、これは。写真について、触れてはいけない気がする。オルゴールの事も、聞いてみて少しだけ後悔した。が、彼氏の有無は確認しておきたい。
「今更だけどさ、」
おねーさんはこちらを向いた。
「ボクなんかを部屋に入れて良かったの? 彼氏に怒られるんじゃない?」
好意を悟られぬよう、少し口の端を吊り上げながら、余裕たっぷりに問う。すると、おねーさんの瞳は僅かに見開かれた。真っ直ぐにボクを見ているのに、瞳が揺れている、そう見えた。……マズかったか。でも、好意がバレたという感じではない。質問に驚いているような、それだけじゃないような、何とも言えぬ表情だ。おねーさんはまた、あちらを向いた。
沈黙が降る。表情は、見えない。
西日に照らされた金色の部屋は、ただ、愁いに満ち溢れていた。
「へぇ」
僅かな間は何だ?
「さっき部屋に来る前、音色が聞こえてきたけど、もしかしてそれ?」
「ああ、……はい」
声の調子はいつも通りなのに、違和感を感じる。何だろう、これは。写真について、触れてはいけない気がする。オルゴールの事も、聞いてみて少しだけ後悔した。が、彼氏の有無は確認しておきたい。
「今更だけどさ、」
おねーさんはこちらを向いた。
「ボクなんかを部屋に入れて良かったの? 彼氏に怒られるんじゃない?」
好意を悟られぬよう、少し口の端を吊り上げながら、余裕たっぷりに問う。すると、おねーさんの瞳は僅かに見開かれた。真っ直ぐにボクを見ているのに、瞳が揺れている、そう見えた。……マズかったか。でも、好意がバレたという感じではない。質問に驚いているような、それだけじゃないような、何とも言えぬ表情だ。おねーさんはまた、あちらを向いた。
沈黙が降る。表情は、見えない。
西日に照らされた金色の部屋は、ただ、愁いに満ち溢れていた。