I love you に代わる言葉


「お。戻ってきた」
 シンの部屋に戻れば、二人は仲良くゲームをしていた。テレビをチラと見る。どうやら格闘ゲームらしい。コントローラーを握っているのは今井だけで、シンは見ているだけのようだった。
「なんて顔してんだよお前……」
 揶揄より先に、心配そうな、若干驚きを含む声を今井に掛けられた。
「……は? 別にいつもと変わらないだろ」
 そう言って二人の傍に腰を下ろせば、何故か二人は顔を見合わせている。
「そうか? なんか……告ってフラれたみたいな顔してんぞ」
「は? そんな事ないさ。告白なんてするわけないだろ」
「……聞いたんだな?」
 察しのいいシンの言葉に内心驚かされた。そんなにボクの表情は普段と違うんだろうか。ボクを真っ直ぐ射抜くようなシンの視線から逃れるように、スッと視線を下げた。
「なんて言ってたんだ?」
 ボクが無言でいると、シンは改めて聞いてきた。ボクは目を逸らしたまま、ゆっくりと口を開いた。
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