I love you に代わる言葉
ボクはブランケットを丁寧に畳むと、おねーさんの部屋に向かった。ブランケットから温もりを感じたのは、多分気のせいで、気のせいじゃないと思う。
扉をノックすれば、中から「はい」と返事が聞こえてきて、それからすぐに、おねーさんは出てきた。目の前に立つボクを見て驚いていたけど、すぐに笑顔になった。おねーさん、モロにすっぴんか。可愛らしくて高校生くらいに見えなくもない。実年齢は二十二らしいけど。シンから聞いた。
「おはようございます。起きてたんですね。ごめんなさい、寝づらいだろうから起こそうかとも思ったんですけど、それも何だか躊躇われて……眠れました?」
「うーん、まぁ。……これ、さ……」
ボクは手を差し出してブランケットをおねーさんの前に持ってくる。それを見てボクが言わんとしている事を理解してくれたらしい。あぁ、と呟いてブランケットを受け取った。
「掛けてくれたんだってね。……アリガト」
視線を逸らしながら礼を言えば、おねーさんは小さくふっと息を吐き出すように優しく笑った。
「あと、……クーラーも点けてくれたんだってね。シンから聞いた。それもさ、うん……アリガト」
もう一度礼を言えば、やっぱりおねーさんは優しく笑ってくれて、一言「いいんですよ」と言った。これ以上何を話せばいいのか解らなくて、シンの部屋に戻ろうかとこの場を離れようとしたが、
「そういえば、日生くんはいつも朝御飯を食べてますか?」
おねーさんはそんな事を尋ねてきた。
「? いや、食べないね。基本食事自体そんなに摂らなかったから。何で?」
「いつも食べているなら、今何か作ろうと思ったんです。朝食摂る派と摂らない派で分かれるから、一応聞いておいた方がいいかと。真も朝は食べないから。身体に良くないからって最初は作っていたけれど、食べる時間に当てるより寝ていたいって言うんですよ。だから今は、真の分は作らないんです」
おねーさんは眉を下げながらふふっと笑った。
「ああ、なるほどね。今はいいよ。今井もどうせ昼まで寝てるから、要らないと思うよ」
「そうですか。今井くん家でも朝は食べないんですか?」
「作ってくれてるから食べるけど、夏休みに入ってからは、それを昼食として食べてるね。そんなに気を遣ってくれなくていいから。まだ眠いからもう一眠りする」
「分かりました。じゃあ、お昼御飯は用意しておきますね。起きてからでもいいですし、お腹が空いた時にでも。食べたい時に食べて下さい」
「うん……アリガト」
ボクはそう言って、シンの部屋に向かって歩き出した。何処となく気恥ずかしくて。すぐに立ち去りたいけど、もう少し居たいような。おねーさんと話している間、ずっとそんな感じだった。
扉をノックすれば、中から「はい」と返事が聞こえてきて、それからすぐに、おねーさんは出てきた。目の前に立つボクを見て驚いていたけど、すぐに笑顔になった。おねーさん、モロにすっぴんか。可愛らしくて高校生くらいに見えなくもない。実年齢は二十二らしいけど。シンから聞いた。
「おはようございます。起きてたんですね。ごめんなさい、寝づらいだろうから起こそうかとも思ったんですけど、それも何だか躊躇われて……眠れました?」
「うーん、まぁ。……これ、さ……」
ボクは手を差し出してブランケットをおねーさんの前に持ってくる。それを見てボクが言わんとしている事を理解してくれたらしい。あぁ、と呟いてブランケットを受け取った。
「掛けてくれたんだってね。……アリガト」
視線を逸らしながら礼を言えば、おねーさんは小さくふっと息を吐き出すように優しく笑った。
「あと、……クーラーも点けてくれたんだってね。シンから聞いた。それもさ、うん……アリガト」
もう一度礼を言えば、やっぱりおねーさんは優しく笑ってくれて、一言「いいんですよ」と言った。これ以上何を話せばいいのか解らなくて、シンの部屋に戻ろうかとこの場を離れようとしたが、
「そういえば、日生くんはいつも朝御飯を食べてますか?」
おねーさんはそんな事を尋ねてきた。
「? いや、食べないね。基本食事自体そんなに摂らなかったから。何で?」
「いつも食べているなら、今何か作ろうと思ったんです。朝食摂る派と摂らない派で分かれるから、一応聞いておいた方がいいかと。真も朝は食べないから。身体に良くないからって最初は作っていたけれど、食べる時間に当てるより寝ていたいって言うんですよ。だから今は、真の分は作らないんです」
おねーさんは眉を下げながらふふっと笑った。
「ああ、なるほどね。今はいいよ。今井もどうせ昼まで寝てるから、要らないと思うよ」
「そうですか。今井くん家でも朝は食べないんですか?」
「作ってくれてるから食べるけど、夏休みに入ってからは、それを昼食として食べてるね。そんなに気を遣ってくれなくていいから。まだ眠いからもう一眠りする」
「分かりました。じゃあ、お昼御飯は用意しておきますね。起きてからでもいいですし、お腹が空いた時にでも。食べたい時に食べて下さい」
「うん……アリガト」
ボクはそう言って、シンの部屋に向かって歩き出した。何処となく気恥ずかしくて。すぐに立ち去りたいけど、もう少し居たいような。おねーさんと話している間、ずっとそんな感じだった。