I love you に代わる言葉
*
部屋に戻れば、ベッドに寄り掛かりながら、小さなランプの明かりを頼りに、シンは漫画を読んでいた。突然起こされたんだからまだ眠いだろうに。ボクはシンのベッドに腰掛けた。
「――返したか?」
漫画本から視線を外し、ボクへと向けてくる。やや見上げる形になるのは、ボクがベッドに居るからだ。座ってないと無理だろうな、こんな光景。うん、と一言返せば、シンは何も言わず漫画へと視線を戻した。
「……おねーさんってさ、優しいよね。あったかいっていうかさ……」
ボクがポツリと呟くと、シンは本をパタンと閉じた。
「そうか? 今だけだ。口うるせぇぞ」そう言って軽く笑う。口ではそう言っているが、心から嫌悪して言っているんじゃないと解る。親しみが込められている。姉弟か……どんなものか想像出来ない。ボクは一人っ子だから。
「口うるさいって言ってもあれだろ? 今井が母親にガミガミ言われるみたいな感じだろ?」
シンはボクの喩えを聞くと、ぷっと笑った。
「今井が親にどう言われてるか知らねぇが、ま、多分それと同じだ」
「じゃあ問題ないね。だってさ、それ、愛情の裏返しって言うんだよね?」
「誰がそんな事言ったんだ?」
「今井の母親」
答えれば、シンはフッと笑った。
部屋に戻れば、ベッドに寄り掛かりながら、小さなランプの明かりを頼りに、シンは漫画を読んでいた。突然起こされたんだからまだ眠いだろうに。ボクはシンのベッドに腰掛けた。
「――返したか?」
漫画本から視線を外し、ボクへと向けてくる。やや見上げる形になるのは、ボクがベッドに居るからだ。座ってないと無理だろうな、こんな光景。うん、と一言返せば、シンは何も言わず漫画へと視線を戻した。
「……おねーさんってさ、優しいよね。あったかいっていうかさ……」
ボクがポツリと呟くと、シンは本をパタンと閉じた。
「そうか? 今だけだ。口うるせぇぞ」そう言って軽く笑う。口ではそう言っているが、心から嫌悪して言っているんじゃないと解る。親しみが込められている。姉弟か……どんなものか想像出来ない。ボクは一人っ子だから。
「口うるさいって言ってもあれだろ? 今井が母親にガミガミ言われるみたいな感じだろ?」
シンはボクの喩えを聞くと、ぷっと笑った。
「今井が親にどう言われてるか知らねぇが、ま、多分それと同じだ」
「じゃあ問題ないね。だってさ、それ、愛情の裏返しって言うんだよね?」
「誰がそんな事言ったんだ?」
「今井の母親」
答えれば、シンはフッと笑った。