I love you に代わる言葉
*
目的のものがあるであろう店に辿り着いて、ボクは言葉を失うと同時に、シンが居てくれて心底良かったと思った。だって、こんないかにも“女の店”って場所にボク一人で入れそうもない。普通の雑貨屋だけど、ボクにとっては居心地悪い事この上ない。けど、確かにおねーさんが好みそうな場所ではあった。綺麗な小物が沢山置いてあるし、洒落ている。見渡せばカップルだっているし、プレゼントを選んでいるのか、男一人で来店している者も居る。が、ボクにとっては居心地悪い事この上ない。
「――日生の目的も知れた事だし、俺は帰るかな」
「なっ……! ちょ、ちょっと待ちなよ……!」
店の装飾過多な扉に手を掛けて、外に向かってくぐり抜けようとするシンを、ボクは必死の形相で呼び止めた。振り返ったシンは、ニヤッと悪戯な笑みを浮かべていた。ムカつくけど、結構それどころじゃなかった。取り敢えず色んな意味で帰るな。
「ムカつくけど、今居て貰わないと困る……」
心のままにそう言えば、シンは眉を下げながら口元に穏やかな笑みを浮かべた。
目的のものがあるであろう店に辿り着いて、ボクは言葉を失うと同時に、シンが居てくれて心底良かったと思った。だって、こんないかにも“女の店”って場所にボク一人で入れそうもない。普通の雑貨屋だけど、ボクにとっては居心地悪い事この上ない。けど、確かにおねーさんが好みそうな場所ではあった。綺麗な小物が沢山置いてあるし、洒落ている。見渡せばカップルだっているし、プレゼントを選んでいるのか、男一人で来店している者も居る。が、ボクにとっては居心地悪い事この上ない。
「――日生の目的も知れた事だし、俺は帰るかな」
「なっ……! ちょ、ちょっと待ちなよ……!」
店の装飾過多な扉に手を掛けて、外に向かってくぐり抜けようとするシンを、ボクは必死の形相で呼び止めた。振り返ったシンは、ニヤッと悪戯な笑みを浮かべていた。ムカつくけど、結構それどころじゃなかった。取り敢えず色んな意味で帰るな。
「ムカつくけど、今居て貰わないと困る……」
心のままにそう言えば、シンは眉を下げながら口元に穏やかな笑みを浮かべた。