I love you に代わる言葉
全身が震える。ぐっと作り上げた拳でさえも。涙が、零れ落ちそうだった。
愛するとは多分、今ボクがおねーさんに向ける、この感情の事を言うんだろう。例えば結ばれなくても、この瞬間にボクは、世界一幸福で在れたに違いない。それでもう、十分だった。
恋が愛に、姿を変えた。
ボクは溢れ出しそうな涙をぐっと堪えると、ゆっくりと、静かに、言葉を放った。
「今のは忠告のつもり? 安心しなよ、ボクは――ボクの意思で此処にいる。例えばアンタの言うように、騙されたとしても……ボクはそれでもいいさ」
今の言葉だけで、十分だ。
おねーさんはボクの言葉を聞くと、酷く驚いていた。見ていなくても、空気で伝わってくる。
「アンタは永遠にそうやってなよ。二度とボクの前に現れるな」
ボクは静かな口調でそう言うと、女に背を向けた。
「――ああそうそう、アンタバカみたいに勘違いしてるけどさ、この二人、姉弟だから」
ボクの言葉を聞くと、女はおねーさんとシンを交互に見て、一瞬ハッとさせた。直後、その顔はとても悔しそうに歪んだ。元々歪んだ顔してるけどね。
「おねーさんに妬くのはみっともないんじゃない? 自分に無いからって羨望するのは解るけどさ」
そう言ってニヤリと笑う。
「さっさと消えなよ」
冷笑を浮かべてとどめを刺す。女はボクとおねーさんを憎悪の込められた目で睨み舌打ちをすると、足早に去っていった。
愛するとは多分、今ボクがおねーさんに向ける、この感情の事を言うんだろう。例えば結ばれなくても、この瞬間にボクは、世界一幸福で在れたに違いない。それでもう、十分だった。
恋が愛に、姿を変えた。
ボクは溢れ出しそうな涙をぐっと堪えると、ゆっくりと、静かに、言葉を放った。
「今のは忠告のつもり? 安心しなよ、ボクは――ボクの意思で此処にいる。例えばアンタの言うように、騙されたとしても……ボクはそれでもいいさ」
今の言葉だけで、十分だ。
おねーさんはボクの言葉を聞くと、酷く驚いていた。見ていなくても、空気で伝わってくる。
「アンタは永遠にそうやってなよ。二度とボクの前に現れるな」
ボクは静かな口調でそう言うと、女に背を向けた。
「――ああそうそう、アンタバカみたいに勘違いしてるけどさ、この二人、姉弟だから」
ボクの言葉を聞くと、女はおねーさんとシンを交互に見て、一瞬ハッとさせた。直後、その顔はとても悔しそうに歪んだ。元々歪んだ顔してるけどね。
「おねーさんに妬くのはみっともないんじゃない? 自分に無いからって羨望するのは解るけどさ」
そう言ってニヤリと笑う。
「さっさと消えなよ」
冷笑を浮かべてとどめを刺す。女はボクとおねーさんを憎悪の込められた目で睨み舌打ちをすると、足早に去っていった。