I love you に代わる言葉
*
「――おい、日生! お前返事くらいしろよな!」
シンが今井を家に迎え入れ、部屋に連れてきた。そして今井はボクの姿を確認するなりそう言う。無駄に喧しい声を背中に受け、ボクは眉を顰めた。返事をするのも億劫で、ただ黙し振り返る事無くずっと外を眺めていれば、
「おい聞いてんのか日生!」
今井は先程よりも口調を強め、ボクの傍に歩み寄る。それでも話す事が億劫でボクは無言を貫いていた。今井が来れば、持ち前の明るさで場の空気が和むだろうと思って承諾したけど、やっぱり煩いだけだった。
「? どうしたんだよ?」
今井も流石にボクの様子がいつもと違う事に気付いたらしい。ボクはといえば、それに対しやっぱり背中を向けたまま、別に、とだけ呟いた。
「なぁおい、お前ホントにどう――……」
「――今井、日生は疲れてんだ。放っておいてやれ」
背後に居る今井の更に背後から、シンが場の空気を読めない今井に、それ以上聞いてやるなと言わんばかりにその行動を制した。色んな意味で疲弊している事には違いないが、何だかその気遣いも、今は少しだけ不愉快だった。今井がどんな表情をしていたのかは解らないが、何処か煮え切らない想いでシンに続いてリビングに向かった事だけはひしひしと伝わってきた。
「――おい、日生! お前返事くらいしろよな!」
シンが今井を家に迎え入れ、部屋に連れてきた。そして今井はボクの姿を確認するなりそう言う。無駄に喧しい声を背中に受け、ボクは眉を顰めた。返事をするのも億劫で、ただ黙し振り返る事無くずっと外を眺めていれば、
「おい聞いてんのか日生!」
今井は先程よりも口調を強め、ボクの傍に歩み寄る。それでも話す事が億劫でボクは無言を貫いていた。今井が来れば、持ち前の明るさで場の空気が和むだろうと思って承諾したけど、やっぱり煩いだけだった。
「? どうしたんだよ?」
今井も流石にボクの様子がいつもと違う事に気付いたらしい。ボクはといえば、それに対しやっぱり背中を向けたまま、別に、とだけ呟いた。
「なぁおい、お前ホントにどう――……」
「――今井、日生は疲れてんだ。放っておいてやれ」
背後に居る今井の更に背後から、シンが場の空気を読めない今井に、それ以上聞いてやるなと言わんばかりにその行動を制した。色んな意味で疲弊している事には違いないが、何だかその気遣いも、今は少しだけ不愉快だった。今井がどんな表情をしていたのかは解らないが、何処か煮え切らない想いでシンに続いてリビングに向かった事だけはひしひしと伝わってきた。