I love you に代わる言葉
20話 感謝の心~カンシャ ノ ココロ~
帰宅して部屋に戻ると、シンはベッドに寝そべりながら雑誌を読んでいた。ただいま、と挨拶をするおねーさ……じゃない、花恋さんをシンは無言でじっと見た後、視線をこちらに移し、今度はボクの顔をじっと見てくる。
「な、なにさ……」
まるで目からビームを出しているみたいな視線で、貫通させる気じゃないだろうなと思わせる程にじーっと見てくる為、思わずたじろぐ。威圧感だけを押し出し、それ以外は何の感情も読み取れぬ程無のまま見てくるシンがあまりに不気味で、隣に立っている花恋さんと目を合わせた。もう一度シンを見れば、シンは突然くくっと笑い出した。そして言った。
「――やっとくっついたか」
と。
帰宅したら逸早くシンに報告をしようと二人で話してはいたけど、何故まだ何も言ってないのに解ったんだ……?
ボクは内心驚き、即座に何も答えられなかった。
「ど、どうして解るの?」問うたのは花恋さんだ。彼女も少し驚いているみたいだった。
「どうしてだって? そんなの見りゃ分かるさ。それに、互いに今日、勝負に出るつもりだったんだろ? 日生には行く前に発破掛けてやったしな」
シンはそう言ってボクにニッと笑い掛けて来た。そんな事実が存在した事を知らなかった花恋さんは、そうだったんですか? とボクに尋ねてくるが、ボクは何も答えず視線を逸らした。
「ま、何にせよ、よかったじゃねぇか」
落ち着いた声色の中に祝福の念が込められていて、シンにとってもそれが幸福であると、その穏やかな表情が物語っていた。ボクと目を合わせた花恋さんはふふっと嬉しそうに笑い、ボクは口元に薄く笑みを浮かべてそれに応えた。
「な、なにさ……」
まるで目からビームを出しているみたいな視線で、貫通させる気じゃないだろうなと思わせる程にじーっと見てくる為、思わずたじろぐ。威圧感だけを押し出し、それ以外は何の感情も読み取れぬ程無のまま見てくるシンがあまりに不気味で、隣に立っている花恋さんと目を合わせた。もう一度シンを見れば、シンは突然くくっと笑い出した。そして言った。
「――やっとくっついたか」
と。
帰宅したら逸早くシンに報告をしようと二人で話してはいたけど、何故まだ何も言ってないのに解ったんだ……?
ボクは内心驚き、即座に何も答えられなかった。
「ど、どうして解るの?」問うたのは花恋さんだ。彼女も少し驚いているみたいだった。
「どうしてだって? そんなの見りゃ分かるさ。それに、互いに今日、勝負に出るつもりだったんだろ? 日生には行く前に発破掛けてやったしな」
シンはそう言ってボクにニッと笑い掛けて来た。そんな事実が存在した事を知らなかった花恋さんは、そうだったんですか? とボクに尋ねてくるが、ボクは何も答えず視線を逸らした。
「ま、何にせよ、よかったじゃねぇか」
落ち着いた声色の中に祝福の念が込められていて、シンにとってもそれが幸福であると、その穏やかな表情が物語っていた。ボクと目を合わせた花恋さんはふふっと嬉しそうに笑い、ボクは口元に薄く笑みを浮かべてそれに応えた。